BricsCAD® は、AutoCAD® ユーザーにとって操作性が非常に似ているCADソフトです。 しかし、より快適な作業環境を実現するためには、テンプレートや線種、ハッチングパターン、フォントなど細かな設定を移行する必要があります。この移行に欠かせないのが各種の「定義ファイル」です。
定義ファイルは、内容によって種類があり、それぞれに設定の情報が保存されています。多くの定義ファイルは BricsCAD® でも標準的に搭載されておりますので同様に利用可能ですが、カスタマイズした定義ファイルを利用している場合は、それらのファイルを BricsCAD® のフォルダに移行することで AutoCAD® と同様なCAD環境を構築できます。定義ファイルの移行は、BricsCAD® への移行をスムーズに行う上で非常に重要な作業ですので、この記事では作業環境を引き継ぐための定義ファイルの移行方法を解説します。
<AutoCAD® 定義ファイル> 保存場所の確認
まず、定義ファイルやカスタマイズファイルが AutoCAD® のどこにあるかを確認します。
AutoCAD® の定義ファイルの場所は、[オプション]ダイアログの[ファイル]タブで確認できます。
具体的には、「サポートファイルの検索パス」 の項目に、文字フォント、線種、ハッチングパターンなどの定義ファイルが保存されているフォルダが一覧表示されます。
例えば、お使いの定義ファイルが、Dドライブの AutoCAD® サポートフォルダーに保存されているとします。
ファイルエクスプローラーでDドライブを開き、AutoCAD® のサポートフォルダーを表示して中身を見ると、各種のファイルがあることを確認できます。
<BricsCAD® への移行> 定義ファイルを用意
BricsCAD® 移行に必要な定義ファイルを BricsCAD® 移行用のフォルダーを作成してコピーします。
BricsCAD® には同名のファイルとして搭載されているものもありますので、それらはコピー不要な場合もあります。
例えば、.shx のフォントファイルなどは BricsCAD® にも標準で搭載されています
<BricsCAD® >への定義ファイルの設定
BricsCAD® で定義ファイルの場所を確認するには、以下の手順で行います。
- [オプション]を開く: BricsCAD® のメニューから[オプション]を選択します。CFG[Enter] の入力でも開けます。
- [設定]ダイアログを開く: オプション画面で[設定]ダイアログを開きます。
- [プログラムオプション]を選択: 設定ダイアログ内で[プログラムオプション]を選択します。
- [ファイル]タブを選択: [プログラムオプション]内で[ファイル]タブを選択します。
- [ファイル サーチパス]の[...]をクリック: [ファイル]タブ内の[ファイル サーチパス]の右にある三点リーダーのアイコン[...]をクリックします。"
検索先のパス一覧が表示されます。
右上の「パスを追加」ボタンで移行用フォルダーを追加します。
「上へ移動」でリストの一番上に移動して「OK」ボタンをクリックします。
これで、BricsCAD® の環境設定は完了です。
BricsCAD® を再起動すると、設定した定義ファイルを利用するようになり、AutoCAD® と同じような作業環境で図面作成を開始できます。
BricsCAD® のは AutoCAD® との互換性の高さは、このようなCAD環境の移行のしやすさも理由の一つになっています。カスタマイズプログラムをご利用の場合、そちらの移植も様々な対応方法がありますのでご相談下さい。
30日間無料でフル機能を試せる体験版: BricsCAD® の無料体験版を利用して、実際に移行作業を試してみることができます。体験版で問題なければライセンスを購入して認証することでそのまま BricsCAD® へと移行できますので、ぜひ試してみて下さい。