BricsCAD V25 の主な特徴
BricsCAD V25 の主な特徴はつぎのようになります。
BricsCAD V25 は前バージョンと比較して、インターフェス周りの改良や基本機能の性能向上の他、先進的な機能の拡充など、60以上の更新が行われている点が特徴的です。
永久ライセンスやサブスクリプション、マルチユーザーネットワークライセンスなど、 柔軟なライセンス の提供もこれまで通り提供され、各製品を個別に購入してそれぞれのライセンスタイプで運用することも可能です。
BricsCAD の種類と利用シーン
BricsCAD V25 のCAD製品として次の種類があります。
Shape 以外はそれぞれ別の製品です。
- BricsCAD Shape(シェイプ)
- BricsCAD Lite(ライト)
- BricsCAD Pro(プロ)
- BricsCAD BIM(ビム)
- BricsCAD Mechanical(メカニカル)
- BricsCAD Ultimate(アルティメット)
BricsCAD V25 各製品の特徴
BricsCAD は、2D 作図・編集に必要な機能はすべて備わっていると言っていいレベルにあります。3Dのデータ作成は、BricsCAD Pro とソリューション向けの製品や機能でサポートされています。
以上のことを踏まえた上で、各製品の特徴を説明します。
🔵BricsCAD® Shape の特徴
BricsCAD Shape は簡単に使えるモデリングツールで無償で利用出来るツールとして提供されています。DWG、DXF、SKPファイルのビュアーとしても使用することができます。
BricsCAD Shape の特徴は以下の通りです。
- ✨ 無料 で使えます。(Windows, Mac, Linux)
- SketchUP の .skp ファイルを開けます。(Windowsのみ)
- DWG・DXFファイルを読み込み・書出し できます。
- STL や FBX, Collada ファイルへ書き出し できます。
- ソリッドのダイレクトモデリング ができます。
- BIMに展開しやすい 3Dモデルを作成 できます。
- 線や円、ポリライン、文字など 簡単な 2D図形を作成 できます。
- 📏距離を計測 できます。
- 📷イメージをアタッチ できます。
- モデリングに絞った 簡素なインターフェスで操作しやすく なっています。
注: BricsCAD Shape は、V25 が最後の搭載バージョンとなる予定です。
🔵 BricsCAD® Lite の特徴
BricsCAD Lite は昔からある2次元図面を描く方向けの製品といえます。AutoCAD® LT や他の .dwg互換CAD の2D向け製品からの移行先として最初に検討する価値のある製品と言えるかもしれません。
BricsCAD Lite の機能面で特徴的な点として以下の内容があげられます。
- 最近の標準的な PC なら 数秒で起動する軽量な動作 。
(私の ノートPCで 3, 4秒で起動 します。) - ハイパフォーマンスなので 大きな図面データでも軽快に動作 します。
- AI ベースのデータ効率化・編集補助機能が使える ため、作図時間の削減やデータ削減・整理を行う機能が利用できます。
- 2D(幾何/寸法)拘束機能 が使えます。
- ブロックに限定されないパラメトリック機能により パラメトリック設計 を簡単に導入できます。
- スクリプトやメニューカスタマイズなど、AutoCAD LT で行うような簡単に使える作業効率化機能が利用できます。
- 高性能な LISP API(AutoLISP互換)を使用した機能拡張やアドオンが利用できます。
- LISP・DCL の開発環境 BLADE での開発が行えます。
- 隠線だけにかぎらずリアルな表示スタイルが利用できます。
- 「図面比較」や「PDF取り込み」、「ExpressTools」機能などの補助機能 が使えます。
- 図面エクスプローラで、すべての図面要素をコントロール できます。
- ライセンスの種類が豊富にあるため、予算や運用状態に合わせて選択できます。(永続ライセンスとサブスクリプション(期間ライセンス)にそれぞれシングル / ボリューム / ネットワーク が組み合わせられます。)
AutoCAD® LT やその他の .dwg互換CADで一番安いグレードと比べた場合、BricsCAD Lite は、性能・機能の強化が続いている高性能な LISP API を使って機能拡張できる特徴があります。
また、いわゆる買い切りの永続ライセンスやネットワークライセンスが選択できるバリエーションがあり、拘束・パラメトリック機能を使用できる点が大きく異なる点といえます。
従来と同様の作業工程を行いながら、AI による図面作成の補助・予測を行う機能でデータを軽量化したり、パラメトリックオブジェクトに自動変換して利用するなど、2D設計においても自然と生産性を高められる製品となっていることが一番の特徴と言えます。✨
🔵 BricsCAD® Pro の特徴
BricsCAD Pro は、Liteで行える2次元図面を作成より高度に効率化したり、3Dベースの設計の他、多くのアドオンアプリケーションのベースとして使用できるの製品です。
Pro の機能面で特徴的な点は以下の内容が挙げられます。
- Lite のすべての内容を内包 しています。
- 高度な3Dモデリング機能(ソリッド、サーフェス、メッシュ)
- 3D拘束とパラメトリック機能。
- 点群(ポイントクラウド)ファイルの読み込みができます。(V25で対応ファイルが結構増えました。)
- パフォーマンスの良い点群機能 が使えます。(アイドームレンダリング、ドールハウスレンダリング、フィルモード、光度・深度表示等々)
- Civil(土木)ツール機能 が使えます。( TINサーフェス 、コリドーモデリング、 AutoCAD Civil 3D タイプの .dwg データ認識 、LandXML 読込/書出、輪郭(コンター)ラベルなど)
- 地理情報を設定してマップイメージを表示 することができます。(OpenStreetMap、Bing Map、Esri Map)
- 3Dオブジェクトも対象にした AI ベースのデータ効率化・編集補助機能が使えます。
- C++(BRX / TX) や .NET、VBA などの API を使用したアドオン利用や独自の機能拡張ができます。(オープンCADプラットホーム)
- アニメーションに対応しています。(アニメーションパス / マルチパラメトリック3Dアニメーション )
- 表示スタイルだけでなく、高品質なビジュアライゼーションソフトと連携ができます。(Twinmotion、Lumion)
- 別売りの Comunicator (後述)と組み合わせると、主要な機械系CAD のファイルフォーマットの読み込み・書き出しができるようになります。(Parasolid, Inventor®, SOLIDWORKS®, Catia™, STEP, Siemens NX, Creo, IGES, etc. )
BricsCAD Pro は、AutoCAD や他の .dwg互換CADと比べた場合、点群ファイルが BricsCAD のみで取り込める点や、Civil ツールで計測データを使用して地形生成と道路などのコリドーが簡単に作成できる点、高品質なビジュアライゼーションソフトと連携できる点、多数の様々な業種に対応しているアドオンアプリケーションが活用できる点が特徴的といえます。✨
🔵 BricsCAD® BIM の特徴
BricsCAD の BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング) 思想は、DWGプラットフォームをベースに、初期設計、BIM、製造を継続的に発展するワークフローとして統合するという、他とは異なるBIMのビジョンを元に開発されています。
つまりコンセプト設計から製造までを別々のツールではなく一つの DWGプラットフォームで実現することで、ツールを習得する時間の短縮や導入のコストを低減する効果を期待できます。
BricsCAD BIM 機能構成としては、BricsCAD Pro の汎用機能に BIM の機能が搭載されているものになります。
BIM の特徴は以下の内容が挙げられます。
- Pro のすべての内容を内包しています。
- IFCデータ(ifc, ifczip)に対応 しています。(2x3, 4, 4x1 仕様)
- BIMコンポーネントの配置が 行なえます。(壁、床、開口部、カーテンウォール、天井伏、etc)
- ソリッドマスモデルを床や壁などのBIMモデルにすばやく変換する クイックビルディング機能 が使えます。
- モデルから防火区画などのエリア分けを行う機能 が使えます。
- 手のかかるタスクを自動化 できます。
- 詳細レベルの適用
- 複数のモデルに寸法を入れられる BIMDIMENSION機能 が使えます。
- 寸法の関連付けのロスを低減 できます。
- BIM Pythonで効率化 をはかれます。
- ブロックの表示を詳細・簡易で切替え られます。
- Scan to BIM 機能 が利用できます。
- 点群データから BIMモデル(建物ボリュームや部屋)を生成 する機能。
- 点群断面 からの線画(平面や断面)生成。
- 点群からのイメージ生成。
- 点群から平面パッチ&ソリッドの作成や自動フロア抽出機能 (_POINTCLOUDDETECTFLOORS )を使えます。
- BricsCAD Mechanical で作成されたアセンブリを BricsCAD BIMのコンポーネントのライブラリとして利用 することができます。
- MEP(機械、電気、給排水衛生設備)ツール を使えます。
- H形鋼などの構造プロファイル機能からモデルを作成 できます。
- 別ソフトの Rhino/Grasshopper と双方向で連携するコネクタが使え 、柔軟なジェネレーティブデザインモデリングを行う事ができます。
- Revit のファイル(.pfa, .pvt)の3Dモデルを活用できます。
- Bricsysが提供している「Bricsys 24/7」というクラウドのコラボレーションサービスを使用すると、コモンデータ環境(CDE)の整備とドキュメント管理やプロジェクト管理が行なえます。 (日本では未展開です。)
BricsCAD BIM は、比較的新しい分野のためこれまでもユーザの声を拾ったり、世相に合わせて機能を拡充したりしています。AIを活用したプロパゲート機能などでBIMの詳細データを簡単に作っていくことができます。
(お問い合わせから頂いた要望は開発の参考にしているので一家言ある方はご意見お待ちしています。)✨
費用的に 他の BIM ソフトよりランニングコストを抑えて運用できる 面があり、2DCADと同じ操作体系なため学習曲線も緩やかです。
国土交通省「建築BIM加速化事業」の補助対象ソフトウェアにもなっておりますので、対象となる設計BIMモデルや施工BIMモデルの作成行う会社さんは導入の助けとなります。
BricsCAD BIM の機能がどんな感じなのかは、BIMアカデミーの動画を一通り見ていただく事をオススメします。✨
🔵 BricsCAD® Mechanical の特徴
BricsCAD Mechanical は、基本は 2Dと3D 両方の機械設計に対応した機械CADです。✨
インテリジェントなメカニカル デザイン プロセスを実現した製品で、2Dスケッチからの3Dパーツモデリングや、3Dパーツやアセンブリから2D 図面ビューを自動作成して寸法や注釈を付けた詳細ビューを簡単に作成することができます。
Mechanical の特徴は以下の内容が挙げられます。
- Pro のすべての内容を内包しています。
- AI によるパーツのパラメタライズ機能 が使えます。
- 3Dモデルから、2Dのベースビュー, 投影ビュー, 断面ビュー, 詳細ビューといったモデルと連携する作図ビューを生成する 図面化機能 が使えます。
- 板金機能 (板金変換、板金の展開)が使えます。
- 自動調整バルーン機能 が使えます。
- 複数の部品表(BOM)を管理する機能 が使えます。
- トレース線付きの多軸分解図作成とアニメーション機能が使えます。
- パラメトリック標準部品 :800以上の異なるタイプのコンポーネントからなる、30,000種の標準メカニカルコンポーネントのライブラリが使えます。
- AutoCAD® Mechanical タイプの dwg データを認識できます。 (体験版でご確認ください。)
- ステップ by ステップなアセンブリのチェック機能 が利用できます。
BricsCAD Mechanicalは、3D機械設計向けの機能が充実した製品でしたが、近年のバージョンで、2D機械設計向けの機能やデータ対応が強化されてきています。
3Dの機械設計向けの機能も、スケッチアップフィーチャーや2D図面化機能の強化などがあり、2Dと3D、両方の設計スタイルを一つのツールで行いやすい環境としてご利用いただけます。
🔵 BricsCAD® Ultimate の特徴
BricsCAD Ultimate はいわゆる全部入りの製品 で、ここまで紹介した shape / Lite / Pro / BIM / Mechanical、全ての製品の機能を使うことができます。BIM と Mechanical、建築・建設・土木と製造を統合的に扱うような高度なエンジニアリングワークフローを実現したいという用途に最適です。
費用的に Pro+BIM、Pro+Mechanical、BIM+Mechanical を別々で購入するより安価になっている点や、ワークスペースの切り替えだけで異なるタイプの設計を行える点が特徴といえます。✨
設計から生産・保守までのワークフローを一つのソフトウェアとデータをベースに行ような仕組みづくりが出来るため、コストメリットだけでなく、CADを利用する方のラーニングカーブの緩和など、生産性の面での大きなメリットを享受することが可能な製品です。
体験版は Ultimate の状態で試用できるので、すべての機能を試しつつライセンスレベルを切り替えて個々の製品の機能を検証することができます。
🔵 Comunicator for BricsCAD®
ここまでで説明した製品とは別に Shape / Lite 以外に対応したアドイン製品として、Communicator for BricsCAD® (コミュニケーター)があります。
コミュニケーターは、主に他の機械設計向け 3D CAD ソフトのファイルを変換するコンバータで、導入すると BricsCAD のインポート、エクスポートの機能にメジャーな機械系のファイル(Parasolid, Inventor®, SOLIDWORKS®,Catia™, STEP, Siemens NX, Creo, IGES, etc.)が追加されて扱うことができるようになります。
対応するファイル形式の詳細は、コミュニケータのページ、やこちらの記事で確認いただけまます。
BricsCAD V25 の拡張性
BricsCAD は、各種のカスタマイズや開発用の API が豊富に提供されていることも特徴的です。
各種 API は細かなアップデートに合わせた強化も行われており、カスタマイズベースとしてBricsCADが選ばれる理由の一つとなっています。
商用やフリーのアプリを開発されている方は、アプリケーションカタログに登録いただくと、ユーザさんに見つけやすくなりますので、上記のデベロッパーポータルから開発者登録をしてアプリケーションを登録していただくことをお勧めします。
設計・製造の全般にわたって活用される BricsCAD
それぞれの製品は Lite から Pro、Pro から BIM など最初の方に掲載した製品機能構成イメージ のより外側の製品へ移行していくことができます。(同一バージョン内でのアップグレードは差額+α の費用です。)この流れがあることで、2D から 3D、各業種に特化した活用、コンセプトから設計、製造、ファシリティマネジメントなど、それぞれのシーンにマッチした使い方へのシフトもしやすくなっています。
単純にコンピュータ上で図面を作成する仕事からの脱却を模索するのであれば、BricsCAD の製品シリーズと組み合わせで活用できる多数のアプリケーションでより生産性の高い環境を構築できます。
また、価格的に AutoCAD® よりも維持費が安いわりにできることが多いという、価値+コストメリットという点も、BricsCAD が選ばれる点です。
Bricsys のコンテンツに国内外の導入事例がたくさん出ています、自動車、建材、プラント、建築、土木、船舶、機械部品、等々多岐にわたる業種で利用されているため、参考にしてみてください。
ライセンスの種類
BricsCAD の各製品には、 シングル・ネットワーク、永久ライセンス、サブスクリプションなどのライセンス・オプション があり、 予算や運用スタイルに合わせて組み合わせて導入することができます ので、柔軟な運用が可能です。ライセンス・オプションについては、こちらの記事をご覧ください。
BricsCAD の購入方法
以下の購入方法があります。
- Bricsys のオンラインストア(カード決済のみ)
- 販売店様からのご購入
- CADソフトを扱っているオンラインストア
参考記事:BricsCAD®のご購入方法について
BricsCADを取り扱いたい販売店様
BricsCADを販売されたい販売店様は、日本国内のディストリビュータ様とお取引いただいておりますので、ディストリビュータ様へお問い合わせ願います。