BricsCADのライセンスは、大きく分けてシングル、ボリューム、ネットワークの3種類があり、それぞれ永続またはサブスクリプションのタイプが選べます。今回は、その中のネットワークライセンスについてご説明します。

BricsCAD ネットワークライセンスとは

BricsCAD ネットワーク版は、ライセンスをサーバーで一元管理することで、複数のユーザーが柔軟にライセンスを利用できる点が特徴です。これにより、ライセンスの無駄遣いを防ぎ、コスト削減に貢献します。

1699577056064-un3Xe9xrvJBricsCAD ネットワークライセンスの運用イメージ

上のイメージのように、BricsCAD のライセンスサーバーとして運用するPC 又はサーバーでライセンスを認証しておいて、BricsCAD を使用する PC ではBricsCADをインストールしておき、ライセンスサーバーを参照する設定をしておくことで利用可能となります。


ネットワーク版利用のメリット

経済的メリット

BricsCAD を利用する PC が 30台あり、同時に使うのは大体その半分位?と言う場合、シングルライセンスでは 30ライセンス分購入する必要があります。そこを、ネットワーク版の場合では 15ライセンスを購入しておけば利用環境としては問題なく運用できると言うような使い方ができます。

ライセンスの数が減ればコストも削減できることになります。

BricsCAD Lite のネットワークライセンス ご注意点
BricsCAD Lite のネットワーク版は5ライセンス単位でご購入頂く製品になります。

例:7本欲しい場合や、3本買い足したいということはできません。

BricsCAD Lite ネットワークライセンスを7本欲しい場合の例
以下の買い方が考えられます。

  • ネットワークライセンス5本 + シングルライセンス 2本
  • ネットワークライセンス5本+ Pro ネットワークライセンス2本

または、より広く考えて

  • シングルライセンス7本
  • ネットワークライセンス10本(5本単位×2) と、なります。



管理面のメリット

BricsCADのネットワークライセンスでは、ライセンス管理がサーバーに集約されるため、個々のPCへのライセンス認証が不要です。これにより、PCの故障や入れ替え時のライセンス処理が簡素化され、IT管理者の負担を大幅に軽減します。また、ライセンスを一元管理することで、紛失や不正利用のリスクを減らし、ライセンス管理の効率化とコスト削減に貢献します。

  • PC管理の効率化: PCの故障や入れ替え時のライセンス移行作業が不要となり、迅速な復旧が可能になります。
  • セキュリティ強化: ライセンスの一元管理により、ライセンスの紛失や不正利用を防ぎ、セキュリティリスクを低減します。
  • コスト削減: ライセンス管理にかかる手間が減り、間接的なコスト削減につながります。



予算の判断材料のメリット

ネットワーク版では、ライセンスの使用状況を詳細に記録し、レポートログを取得できます。このレポートをログ解析ツールで分析することで、必要なライセンス数の算出や、追加購入のタイミングを正確に把握することができます。これにより、無駄なライセンス購入を防ぎ、コストを最適化できます。



ログ解析ツールの例
「RLMライセンス管理バンドル」を使用すると、ログファイルからCSV形式である程度整理された情報が取得でき、日計やユーザごとの使用時間などを集計可能です。
1719367492199-FTYVHBYwilCSVファイルを元にデータをグラフ化した例


BricsCADのネットワーク版では、ローミング(借用)機能 を利用することで、インターネットに接続できない環境でも、最大30日間、一時的にBricsCADをPCに貸し出しする形で利用することができます。

ローミング(借用)をキープする機能を使えば、一度借用したライセンスが設定した日数内であれば、サーバーに再接続するたびに自動で設定された日数が更新され、中断なく作業を続けることができます。

1650342937269-GObCre0nDe日数の自動更新設定

外出先で社内ネットワークに繋げずに使用すると、最後にネットワークライセンスを使用した日から設定した日数はライセンスサーバーに接続がなくても、ライセンスが使えるようになっています。

1650257772180-mnukCiAmrJ起動時表示のローミングの残日数

ローミング機能の自動更新により、一度借用すれば、設定した期間内は、インターネットに接続するたびに自動で借用が更新されます。そのため、短期の出張やワーケーションなど、頻繁に利用環境が変わる場合でも、借用手続きの手間が省け、安心してBricsCADを利用できます。

VDI 環境での利用
BricsCAD を VDI環境で利用したい場合、ネットワーク版での利用であれば一定条件で利用可能です。詳しくは、次の記事をご確認ください。BricsCAD®のクラウド VDI でのご利用



ネットワーク版を使うデメリット

多くのユーザーがCADを頻繁に利用する組織では、ライセンスの共有が限定されるため、コストメリットが薄れる可能性があります。

ユーザーごとのライセンス種類を使い分ける: 頻繁に利用する設計者にはProやUltimateのシングルライセンス、たまにしか利用しないユーザーにはLiteのネットワーク版といったように、ユーザーの利用状況に合わせてライセンスの種類を使い分けることで、コストを最適化できます。

BricsCAD ネットワーク版を利用するには、ライセンスを管理するためのライセンスサーバー が必要です。このライセンスサーバーのサービスソフトは、Windows または Linux用が用意されています。(OS はクライントPCと合わせる必要はありません。)詳しい環境は動作環境をご確認ください。

設置場所: 通常のPCでも動作しますが、長期の安定稼働を考えると、Windows ServerなどのサーバーOSでの使用がおすすめです。

複数拠点の場合: 各拠点にサーバーを設置するか、VPNでネットワークを接続し、各拠点からライセンスサーバーに接続できるようにする必要があります。


メンテナンス契約が必要(2年目以降)

BricsCAD ネットワーク版は、初年度は『BricsCAD メンテナンス』も一緒にご購入頂きますが、2年目以降の更新は任意となっています。

但し、BricsCAD メンテナンスのオプションには、最新のバージョンへのバージョンアップや、現行製品を含めた3バージョン前までサポートされたりと特典が含まれています。「社内でバージョンを統一しておきたい場合」や「OSの更新に対処できる状態にしておきたい」といったメリットもあります。また、何か問題が発生した際の技術的なお問い合わせ内容によっては、対応がメンテナンスご購入社に限られる場合もあります。


導入時の流れについて

ネットワーク版導入時の流れについて説明した導入ガイドをご確認ください。また、検証用にライセンスの貸出も可能ですので、検討したい方はお問い合わせください。

BricsCAD ネットワークライセンス導入ガイド - BricsCAD V25 以降 BricsCAD V25 のネットワークライセンス、または、2024年11月以降にダウンロードされた方はこちらのPDFを

BricsCAD ネットワークライセンス導入ガイド - 2024年10月以前
2024年10月以前のネットワークライセンスマネージャされた方はこちらのPDFを